~高次脳機能障害を見抜くOTの評価~
こんにちは、まるてぃです。
前回は
「できないの裏には何が隠れている?」
のように裏には必ず理由があることについてお話しました。
さて今回は特に注意が必要ではないかと思われる
高次脳機能障害
についてお話したいと思います
麻痺だけでは説明できない患者さん
新人の頃、特に私は、筋力や関節可動域、感覚など身体機能面にばかりを見ていました。
肩は動く・肘も曲がる・手指も少し動く。
「これなら更衣はできそうだ!」
そう思った矢先に、
【袖に腕が通らない】
【食事では左側だけ残す】
【車椅子では左側をぶつける】
【コップを持とうとして違う物を触る】
【服を前後逆に着ようとする】
【歯ブラシを持っているのに何もしない】
その当時の私は
まるてぃやる気がないのかな?
疲れているのかな?
注意不足なのかな?
などと単純にそんな風に思っていました
しかし、経験を積んでいくにつれて
身体機能だけでは説明できない“できなさ” があることに気付きました
“できない”のではなく



脳の処理が上手くいっていない!?
OTなのでなんとなくわかってはいるつもりでしたが
しっかりはわかっていませんでした
ここが大切なポイントになります
Evidence Box
今回からEvidence Boxという形で簡単に文献ではどういわれているのかも書いていきたいと思います
脳卒中リハビリテーションガイドラインでは、運動麻痺だけでなく、認知、視覚、感覚、嚥下機能、排便、排尿機能など高次脳機能障害を含めた包括的な評価が推奨されている
つまり【筋力だけでは説明できない】という考え方になります
・ADL自立度
・歩行能力
・転倒リスク
・退院先
以上の事柄に影響すると報告されています
つまり【生活場面で評価をすること】が重要になります
失行では筋力が保たれていても【更衣】【食事】【道具操作】 などの日常生活動作が障害される
と報告されています
つまり【動く】と【使える】は違うという事です
OTにとって大切なこと
いかがでしょう?
論文を読むと知識も広がり出来る事や考えることが増えます
また、「高次脳機能障害の評価をしよう」と思ったりもしますよね
その中でも私は



生活を観察しよう
ここがとても大切になります
論文が教えてくれていることが【検査をする】のではなく
生活をもっとみるということです
私はこう考える
なので評価である
BIT行動無視検査(Behavioural inattention test)や
CBS(Catherine Bergego Scale)だけでは終わりません
- 食事
- 更衣
- トイレ
- 整容
- 病棟での生活
色々な生活場面を見ます
患者さんは
検査用紙の上より
生活の中でたくさんの情報を教えてくれます
また、リハビリ室ではできても、 病棟ではできない患者さんは少なくありません
患者さんは困っていることに気付いていないこともある
高次脳機能障害ではご本人が障害を自覚していないことがあります
なのに
「わたしは出来ます、大丈夫です」
そう話す患者さんでも実際には介助が必要であるということも珍しくはないです
ここで大切なのが無理に否定することではありません
患者さんが安心して取り組める環境を作り
成功体験を積みながら一緒に気付いていけるよう支援することを意識しています
私の経験
私も色々な高次脳機能障害の患者さんを経験してきました
- 食事の動作自体は行えるのに注意散漫で食事することが出来ない患者さん
- 左袖、または右袖だけ最後まで通せなかった患者さん
- お部屋から出たら迷ってしまい部屋に戻ってこられない患者さん
- FIMの数値ではわからないが病棟で失行などで困っていた患者さん
- スマートフォンの操作が分からなくなって連絡できない患者さん
- 行動に抑えがきかずに約束事が守ることが難しくなっている患者さん
ほんの一部分ですがこのように生活の場面では
患者さんの困りごとに直面する機会が多いのです
まとめ
私が新人の頃は
「手は動くのに、なぜできないのだろう」
と悩んでいたときもありました
経験したり調べたりすることで少し考え方も変わってきました。
患者さんを理解するには
筋力だけでは足りません。
検査だけでも足りません。
ではなにか



生活を観察すること
そこにこそ
高次脳機能障害を理解するヒントがあります。
新人さんには大切なことは
「何かがおかしい」と違和感をまず感じてもらうこと
それがなぜだろうと考える一助になっていきます
その積み重ねが患者さんをより理解することが出来る力になるはずです
だから私は今日も
病棟で患者さんの生活を見に行っています
最後まで読んでくださりありがとうございました
参考文献
1.日本脳卒中学会.脳卒中治療ガイドライン
2.Is Unilateral Spatial Neglect Associated With Motor Recovery of the Affected Upper Extremity Poststroke? A Systematic Review PMID:30784364
3.The tool in the brain: apraxia in ADL. Behavioral and neurological correlates of apraxia in daily living (http://www.frontiersin.org/journal/10.3389/fpsyg.2014.00353/abstract)




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